地方で金融業界で働いています。
かなり終末感が出てきています。10年前であれば地方の金融機関は地元に中小企業に対して、資金の調達、経営アドバイスなどをして経営者から感謝され、それなりに必要とされていました。
コロナ禍以降、地方の金融機関の凋落、二極化などなど負け組の金融機関が目につくようになってきました。
業界、地域の人口問題等もありますがここでは働く人に切り口を向けていきます。
地方の金融業界の現状
金融業界の雑誌などにも掲載されていますが、収益力などが全く出せなくなり多くの金融機関はジリ貧の状況です。
理由は貸出や手数料の収入が得られにくくなってきているせいだと思います。
規制等の問題もあり、銀行業務以外の業務ができないことも大きかもしれません。
業界の中で長く働いていて、考えることは金融業界の将来性は決して明るくはない、です。
何が問題なのか
先日も同業の金融機関と方と話をしていましたが、若い世代20代から30代の方は、地方の金融機関で口座すら開設しなくなってしまっているらしいです。
確かに私自身、給与の入金口座、各種公共料金の引き落としはすべてネット銀行で完結しています。
若い世代から必要とされない金融機関では将来的には事業の継続がますます困難になってくると予想できます。
かろうじて、地元の中小企業の方に事業用の融資の相談を受けているのが実情ではないかと思います。
ここで問題なのは、もうすでに通常の地方の金融機関で昭和の時代から続けているビジネスモデルはとうの昔に破綻しているのではないかと。
これまでリーマンショックやコロナ禍で緊急的な資金対応で必要とされていましたが、平常時ではあまり必要とされず、ご高齢の方が窓口にきて話をして入出金をしていかれるだけでは商売になってないでしょう。
将来的に地方の金融業界はどうなる?
もうすでに赤字経営に陥っている金融機関が大半だと思います。
会社や業界についてはこのままの存続は厳しいと考えています。
ここでは働いている我々会社員ですが、組織から命令されるだけの業務や作業をしているだけではいずれいらない人材になります。
現に金融機関に入社して、お金を数える作業をまず覚えます。
お金数えるの早ければ、「すごいね」とはなりますが、必須のスキルではないでしょう。
そもそも、キャッシュレス化が進んでいる中、ほとんどのことは電子マネーでの支払いですみ、必要に応じてクレジットカードを使用するようになっています。
ますます、銀行のATMでお金を下ろすこともなく、手数料も払わない。
窓口に若い世代が行く必要がない、と。
状況から考えるとすでに今の地方の金融機関が詰んでます。
これからの金融機関のあるべき姿(理想論)
巷の雑誌や政策では中小企業への伴走支援を強化することが必要と言われています。
言っていることはむちゃくちゃ正しいのですが、ここで問題があるのは中小企業や経営者に対して必要な伴走支援などが今の金融機関にできるか、いやできないというのは現状です。
まず、「やりましょう」
↓
「本業が忙しいのでそこまで人は割けない」「支援する能力不足」「人材が足りていない」などなど
↓
結局、人的リソースが足りなくて、本来の必要とされていることができない。
*********************
また、地方の金融機関の深刻な人的リソース不足は社内の高齢化が進んでいるということです。
40半ばでの平均年齢の組織で新しいこと、フィジカル面でも疲れる仕事を率先してできるはずはありません。
スキルの面でも営業で外回りをずっとしてきた職員ですから、ほとんどはノルマ主義で育ったおじさんばかり。
本来は地道に経営者と向き合って、経営課題を明確にしてその課題解決にむかって取り組んでいくのが理想像です。
ただ、お金にならないので続けていくことはとても困難です。
働くことのメリット、デメリット
まだ、地方の金融機関で働くことは当面メリットはあると思います。
若干ステータスも残っていますし、在籍する間に会社の福利厚生などでリスキリングしたり、人脈を作るには最高の場所だと考えられます。
なんやかんやで、金融機関の人間であれば会社の社長さんもあってくるれるケースが多いですからそこで人脈形成をすることができれば、よいでしょう。
デメリットは、若い世代で入社して真面目な方に上司から言われたことを愚直にされる方は将来的にかなり苦しい。
あとは、なにも考えずに与えられたことを時間をかけて作業をこなす、中年のおじさんは論外です。
もう、金融機関でプログラミンや企画系でない限り、社内で事務作業をコツコツやることは機械にやってもらうことが一番。
ここでのまとめですが、
メリットは、
会社の資金はまだ多い、なぜならストック型のビジネスであるため蓄積した資金があり、人材育成には積極的に取り組んでくれると思います。
もう一つは、会社の看板で多くの経営者や人と会う機会が得られやすい。
デメリットは、
もうすでに人間がするする作業ではないことに邁進する真面目な会社員が多い。
続けると組織も衰退するし、本人にとっても将来性がない。
会社員はどうするべきか?
20代の方
転職をおすすめします。
私も20年ほど前に地方の金融機関に入社、2年ほどで将来性のなさから別の業界に転職。
経験を早めに積むことが長い人生でプラスになると思います。
もう、金融機関がステータスでも将来を約束してくれるものではありません。
30代の方
家庭や住宅ローンがある方が多いと思いますが、基本戦略は他業界への転職がおすすめ。
もう一つは副業が可能であれば、副業をしながら自分のスキルを研ぎ続ける。
営業の方も漫然と営業活動してノルマを達成しました!ではなく、経営者との人脈をつくることを日常から意識して仕事をすることです。
もし、会社が嫌でやめたくなった時、リストラになったときには、地元の社長の右腕になれるぐらいの関係性を作っておきましょう。
40代の方
私もこの世代になっています。
基本戦略としては、定年近くまで現状維持が妥当かと。
理由はシンプルで、給与面と待遇面が今の所かなり良いからです。
この間に人脈とリスキリングをして強みを追加して行くしかないと考えています。
私自身、金融機関の経歴として一昔まえの人材であれば、かなり秀逸な人材ですが、
自画自賛するわけではないのですが、経験(転職した業界も専門的な)や資格、コミュニケーション力や人脈などなど。
ただ、現状で定年まで細く長くも可能かもしれませんが、この世の中40代でも現状維持での逃げ切り戦略は厳しいと思います。
追加スキル・・・
・プログラミング:エンジニアになることは無理ゲーです。ITを含めた経営コンサルタントとして活動できるように。
・情報発信力:Twitterやブログなどでの積み上げで発信力を強化しておくべき。
・金融リテラシー:暗号通貨なども含めて運用や金融のアドバイザーとしても発信すること。
・英語:ネイティブなみ喋れなくても、日常生活ができるレベルには。
オンライン英会話でスピーキングできるように。
・マーケティングスキル
・ライティングスキル:ブログなどの情報発信をするためにも必要かなと。
・その他:何か独占業務のある国家資格
→宅建、行政書士、社会保険労務士
上記以外は難易度が高すぎる、もしくは独占業務のないものについてそもそもムダと考えています。
(参考)おすすめしない国家資格
中小企業診断士→理由は独占業務もなく、コンサル業務をするのであればよほどのコミュニケーションスキルと実践力が必要です、普通のサラリーマンが資格とってすぐにできるものではないので、時間をお金のムダかもしれません。
社内での人事考課などで昇給があるのであれば、暇であれば勉強だけならいいかもしれません。
人生をかけて、会社をやめてまで試験に挑むのはやめた方がいいです。すでに現状分析ができていない方です。
50代の方
逃げ切れる人は定年まで会社にしがみつく。
定年後にローリスクで起業する準備を定年までの時間でやっておくべきです。
まとめ
地方での金融機関で働くことはこれからますます冬の時代となります。
人口減少、東京を始めとした大都市に人口は流出していきます。
中小企業は人材の確保するできない中で、高齢化した会社が事業承継もできずに廃業されています
その収縮している地方経済の中で、運営されている金融機関は今存在しているだけでも奇跡でと思います。その中、赤字覚悟で様々と取り組みをしてるのはすばらしいのですが、そこで働く組織人は非常にリスクは高いでしょう。
定年までの時間が長い人ほどリスクは高いです。
以前もブログで書きましたが、就職先としての金融機関はもうおすすめできないです。
将来性はありません。
働いている人間としては、悲観ばかりしても仕方なので基本戦略を考えて取り組んでいます。
会社員生活をするのであれば、最低限の会社の義務を果たし自分のスキルアップを図っていくしかないでしょう。
来たるべき有事(リストラや待遇悪化など)に備えて、副業や起業の準備、実施をしておくしかない。
いる間は楽しく仕事をするために、社外の経営者と人脈をつくりつつ、次のステップを考えながら仕事をする。
こう考えると、会社や業界自体は必要なのですがすでに人がしなくても良い業界になっているところい多くの人材がいるせいで業界自体が衰退しているのかもしれない。
コメント